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時に西暦2020年。
世界は新型コロナウィルスの脅威に瀕していた。

というわけで映画館は新作公開もままならずリバイバルでやりくりしているのですがこれはこれでラインナップが熱かったりします。
そんな中TOHOシネマズ池袋では京都アニメーション特集をやってくれました。
ならば観に行かなくては!と行ってきました。
自分は『リズと青い鳥』と『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜』の二本立てです。

この組み合わせは2019年9月に新宿で観た以来。
映画感想『リズと青い鳥』+『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜』(EJアニメシアター新宿にて) : ひよこクレストのご注文お決まりでしょうか?
なので今回でリズは8回目、誓い〜は6回目となります(共に10ヶ月ぶり)。

いやもう何度目なんだっていう話なのですが、この作品はやはり特別。
儀式っていうか巡礼っていうかそんな感じなのです。

そしてTOHOシネマズ池袋ですが新しくできた映画館だけあってスクリーンも大きくて音も素晴らしかったです。
今回はスクリーン6でしたがリズ鑑賞では「まだこんな聴いたことのない音が!」っていう発見と包まれるようなサラウンドが感動でした。
音そのものが作品でもあるリズ+誓いにおいて極上の鑑賞体験でした。
“極上のサウンドシアター” TOHOシネマズ 池袋 2020年7月3日(金)グランドオープン! || TOHOシネマズ


京都アニメーションの作品は高校生を描いたものが多い。
・涼宮ハルヒの憂鬱
・けいおん!
・境界の彼方
・たまこまーけっと
・中二病でも恋がしたい
などなど。
それはなぜかというと大人になる直前の刹那さの時間をフィルムに定着させることの意義だと思う。
迫られる進路の選択、急に早く進み始める時間、だんだん守ってもらえなくなる突き放される感覚。
十数年生きてきて目指すものも成長度合いもバラつきのある人間が共に過ごさなければならない不安と不安定さ。
友人や恋人との出会い。
そしてそれを大人になってから振り返るとあまりにも一瞬であったことを思い知らされる。
いいこともそうじゃないことも確かに自分のものではあったのだけど記憶の中では断片でしかない。
でも京アニのアニメを観ていると自分は高校生という時間を生きていたことを確認できる。
それは緻密に描かれた校舎だったり、クラスメイトとの何気ない挨拶の風景だったりが感覚として思い出させてくれる。

響け!ユーフォニアムシリーズでは吹奏楽部という大人数大所帯での人間関係を描くことに挑戦した。
これをアニメーションとして作り上げるのはとても大変な作業だ。
個々の部員を描き分けること、複雑な人間関係を話に織り込むこと。
楽器の描写、演奏シーンの構築、それを限られた製作スケジュールでどこまでやるのか?

『誓いのフィナーレ』でのクライマックスの合奏シーン。
劇中の登場人物たちが全てをかけて挑むシーンなのだが、ほんとうに見事にやりきってくれた。
そしてそれは京都アニメーションを始めとする制作スタッフの「アニメーションでの合奏」でもあった。
「ここまでやる?」を「やる!」という行為そのものが観るものへのメッセージとなる。


熱い拳を胸の奥に叩き込まれた感覚を噛み締めながら劇場を後にした。


2020年7月
響け!ユーフォニアム アニメ続編への期待をこめて









予告編のあとはネタバレもありでちょっとだけ。
過去の感想と重複もあるだろうけど気にしない。








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