100%のヒーローなんて、いるわけないよとわかっているのに!

じゃあ俺が今日からヒーロー!!

キック・アス!!

ハイ、おもしろかったー!!

日本語吹き替えで見ましたがよかったです。

キック・アス:佐藤拓也
ヒット・ガール:沢城みゆき
レッド・ミスト:勝杏里
フランク・ダミコ:斉藤志郎
ビッグ・ダディ:内田直哉


さすがの沢城みゆきクオリティーと言わざるを得ない。

まずは予告編から
(以下ネタバレもあるよ!)


コミックの中ではヒーローが悪をやっつけているのに、現実ではヒーローはいない!
なのに悪は厳然と存在する!!
なぜ誰もヒーローをやらない!?
なら俺がやってやる!・・・という少年の成長物語。
見終わった後「リア充爆発しろ!!」と言ってよし(笑)
アメリカでのオタクってやっぱりこういう感じなんだと思いつつ、同じことを日本でやると目も当てられない「痛い」感じになっちゃんだろうなあと想像。
やっぱりあちらのオタクってなんかクールじゃない?(という日本人のコンプレックス)

その主人公のヘタレっぷりを楽しみ(なかばあきれ)つつ物語は進みますが、ビッグ・ダディとヒット・ガールの登場により話がおかしくなります。
そして何が正義が悪かが入れ替わっていく様が巧妙です。

因果とはいえフルボッコのマフィアに同情しちゃうくらいです。
というのも敵役であるマフィアの描写がけっこう細かくて部下の個性とかもひとりずつ感じられました。
手下がズラッとならんだときに「こいつはバカ」だとか「こいつは臆病な奴」だとか想像がふくらんじゃうくらい。
ある場面で、ボスの息子が「あいつ嫌いなんだよ」と言った後に手下が「あいつはクズです」、そしてボスが「あいつを使え」とトップダウンで生け贄に差し出されるのを見て、観客も「あいつ」ならしょうがないな」と「あいつ」に対して同情の余地もない気持ちがわき上がるのが楽しかったです。
その他、ヤクの売買、非道なやり口、警察との癒着などテンプレ通り。
というわけでヒーローものでは敵を丁寧に描くという絶対条件は完全にクリアされているのではないでしょうか、たぶん。

その下地が整っている上で復讐に燃える父と娘が破壊力抜群で登場!
父親役は我らがニコラス・ケイジ!
出番自体はそんなに多くはないのですが、優しくてイカれてる父親を好演です。
某CMで役所広司はダイワマンのスーツ着用を何度も断っていましたが、キック・アスではニコラス・ケイジがまるで某バットマンのような黒いスーツに身を包んでがんばります。ようやった!
そして娘ですがこれがヒット・ガールに変身すると恐ろしく強い!!
イメージ的には大橋のぞみが「ポ〜ニョポニョポニョ♪」と歌いながら走って跳んでハンドガンでヘッドショット!ナイフでサクサクザクリ!という感じです。
その残虐ファイトなキャラはとても正義の味方とは思えません。
そんなやり方を見て主人公のキック・アスは何を思うのか・・・。
最後ガトリングガンをヒャッハーとぶっぱなしていたので細かいことはあまり考えていないのかもしれません、彼。
終盤キック・アスについては放置な展開がちょっと気になりました。

マフィアの息子がキック・アスをおびき出すためにレッド・ミストとなり接近するのですが、二人の間に友情が芽生えるところが心をくすぐられます。
でもそこは住む世界が違う二人。
ラストは父を殺された息子が復讐に燃えて終わり・・・ってのはスパイダーマンなどでもあったセオリー通りの展開。

あとは今時の映画として、ネットが話に組み込まれていたのは展開がスムーズになるからよかったんですかね。
キック・アスの活躍がYoutubeで世間に広まったり、Facebook(?)でみんながキック・アスにメールを送ったり、iPhoneとかGPS機能とか今やみんなが当たり前のように使っている装置が登場です。
キック・アス公開処刑生放送ではテレビは途中で放送中止したけど、ネットではそのまま放送とか、さりげにメディアの差が描かれていたり。

でまあ、見終わってみてどうだったのか。
世の中にヒーローなんていない。
誰かが困っていても、目を背けることもある。
そして誰も助けてくれなくてもひとりで戦わなくちゃいけないこともある。
そんな勇気をボクにください。
キック・アス、オススメです!(つ∀-)