今年になってからアニメーション映画(どれも実におもしろかったのだけれども)しかみていなくてここらあたりで洋画でもみないとバランスがよくない。
というわけで『ザ・コンサルタント』みてきました。

主演ベン・アフレック。
自分の中では『ザ・タウン』が好きだったので。
その後の『アルゴ』はベン・アフレックはヒゲモジャだったので顔がよく見えずイマイチだった。
それからバットマンになったりしたようだけれどそちらは見ておらず。
そんな流れで挑んだ『ザ・コンサルタント』。
とても楽しませてもらいました。

会計士の無双っぷりももちろん抜群でしたが、生きている世界や社会とどう向き合うべきか考えさせられる作品でした。
なかなかに深いです。

予告編の後はネタバレにご注意。




【会計士】
会計士としても表と裏の顔を持つわけだけれど、序盤の老夫婦の案件が実にほほえましく頼もしい。
感心しつつニヤニヤしつつみていました。
(老夫婦もあとでちょっと巻き込まれて大変だったけれど)

からのリビング・ロボ社の案件では数字に対するプロフェッショナルっぷりを発揮。
それはもうプロっていう枠を越えた異常とも言える「能力」なんだけれども。
部屋のガラス壁一面にデータを書き出してマーカーをゴミ箱にボンボン投げていく様は圧巻でした。

そんな彼は仕事を完遂できないことが我慢できない。


【高機能自閉症】
主人公が自閉症というのは設定だけでちょろっと描かれるだけだろうと思っていたのですが、物語に深くくいこむようにガッツリ描かれていました。
社会や世界に対してハンデを持っている人間がどう向き合うべきか。
これを考えていくとハンデを持ってるとか持ってないとかあまり重要ではないという結論に。
要は世界から逃げるように引きこもって生きるか、それとも世界に負けないように強く生きるか。

この映画の主人公クリスチャン・ウルフの父親は言う。
「強く生きろ!」
ただね、いくら強くっていったって物理的に強くしてワンマンアーミーにしちゃうのはやりすぎだと思う。
そんなやりすぎの結果が存分に描かれます。
いじめられたヤツらに対して報復するシーンは正直スカッとした。
大人になってからは徒手格闘はもちろん、100%ヘッドショットのスナイプで大暴れします。

途中何度か己の自閉症に対抗するトレーニングをするシーンがあります。
光のフラッシュと大音量の中でスネを棒でこするというのもの。
このスネを棒でこするっていうのちょっとやってみたのですが、すっげえ痛いのでぜひ試してみてください。
どんな思いをして彼が症状と向き合っているかよくわかります。
あ、でも適度にやると血行がよくなるような気もしますね、痛いけど。


他に自閉症的な映画といえば『フォレスト・ガンプ』を思い浮かべますがあちらは母性が強い作品でした。
一方『ザ・コンサルタント』は父性が強く比較してみると興味深いかと。

高機能自閉症とは?アスペルガー症候群とは違うの?症状や診断基準、障害者手帳の取得について紹介します! | LITALICO(りたりこ)発達ナビ
劇中でも質問に対して真っ正直に答えようとするシーンが何度か。
ジグソーパズルを裏返しで組み上げたり特殊能力を示唆するシーンもありましたね。

あと完璧な精神構造を持つ人などいないわけで。
大切なのは自分の弱点を理解して世界と向き合うということなのだ、とか。


【敵】
ラスボスが弟っていうのはちょっと小じんまり感が。
っていうか兄だって気がつくの遅すぎじゃ?なって思ったけど。
殺し屋の弟を演じるジョン・バーンサルは漂う不気味感がいいですね。
ウォーキング・デッドの時も曲者な感じがよかったです。


【ヒロイン】
リビング・ロボ社の会計士ティナを演じるのはアナ・ケンドリック。
前歯を出して笑うのがイマイチだな〜なんて思ったけど大柄なベン・アフレックの隣に並ぶとこれが小さくてかわいい。
theconsaru01
で、かわいいなあなんて思ってきた頃に別れのシーン。
「ああ!わかるよベン!別れたくないけどさ・・・!」なんて思いながら見てました。


【秘書の正体】
勘の良い人ならすぐわかっちゃうんだろうけど、自分はまったく先読みしないで見ていたので「しまったー!気付くのが遅すぎたー!!」とまるで金田一耕助のように焦燥しながら鑑賞していました。


【ザ・コンサルタント】
「ナーメテーター映画」もいろいろあるけどなかなかに考えさせられる作品でした。
今回は字幕で見たけど吹替でも見たいです。

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