banio

映画は爆発が命だと思っていますが、このみるからに爆発しかないビジュアルに惹かれて見ました。
『バーニングオーシャン』
原題は『Deepwater Horizon』、これを『バーニングオーシャン』としたのは好き。
なんかこう『バーニングオーシャン!!』って小山力也の声で言いたくなりません?

映画としてはなかなかエキサイティング、実話系作品としてはいろいろ考えるところもある。
見終わった後そんな感じで劇場を後にしました。

水圧で飛び散る排水管のボルト、散弾のように襲いくるガラス片など細かいところがよく見える劇場での鑑賞がオススメです!

予告編の後はネタバレにご注意。

【なんといってもバーニング!】
序盤は人物描写。
中盤は海底油田描写。
そして終盤はもう爆発炎上しかない!
正直こんなの国際救助隊(サンダーバード)でも来てくなきゃ助からんぞ!って思ったけどもうどうにもならない。
燃え落ちていく洋上施設から逃げ出す人々、事態の進行を食い止めようとするも爆発炎上は手に負えず。
この映画にヒーローは現れない。

洋上の石油掘削施設での仕事は給料はいいのかもしれないけれど危険もあるものだとうかがいしれます。
特に水圧の怖さを存分に味わいました。
そしてそんな危険度を上げてしまうのが希望的観測によるマネーマネーマネーな大企業体質。
作業の遅れを取り戻すべく甘くなるチェック工程。
疎かになる設備投資で信頼度が低い装置。
劇中では事故発生確率にどんどん倍率がかかっていく様が怖かったです。
またそういうのは多かれ少なかれどの企業でも存在するのがまた怖いですね。

石油について考えると自分たちがふだん当たり前のように使っているけど、どんなふうに掘られているかほとんど知らないということに気付かされます。
まあ知らなくてもいいんだけど全く知らないのもどうなのかな?とか。

あと石油っていうのがあまりにも都合よく(さも使えといわんばかりに)人類にもたらされているのとか、そもそも起源がなんなのかもはっきりとわかっていないという不思議・・・っていうのは映画の枠をはみだして考え過ぎですね。

石油 - Wikipedia
起源についてはいくつか説がある。


【カート・ラッセル】
カート・ラッセルといえば映画『バックドラフト』でも精悍な姿のイメージでしたが今作ではすっかりおじいちゃんな感じに。
しかし老いても確かな存在感は健在。
掘削施設の安全を管理するボスを見事に演じます。
まあ今回も炎にまみれるわけでつくづく火災に縁のある俳優なんだと。


【車を修理する話】
若干押し付けがましいプロットではあるんだけど「車の話」が軸になっててラストでちょっと感動してしまいました。
「ふたりで車を修理しよう」→生きて帰るんだ!
「You trust me!(俺を信じろ)」そしてダイブ!の流れがけっこう好きでした。


【バーニングオーシャン】
今日も世界中で石油が掘られている。
その現場にはいろんな危険やドラマがある。
そこで働いている人にはそれぞれいろんな事情があるし帰りを待っている家族もいる。
ふだんは見えないそんな人達の作業の安全を願わずにはいられません。



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