自分の好きなメル・ギブソンが監督なので観るのは決めてましたが、公開日直前まで沖縄が舞台だなんて知りませんでした。
「こりゃえらいこっちゃ!」ってな感じで『ハクソーリッジ』公開日に見てきました。

ハクソーリッジ=沖縄・浦添市の「前田高地」

ここで気がつくのは自分が沖縄戦についてあまりにも知らないということ。
「アメリカ軍が火炎放射器でビャーってやって勝った」くらいのイメージしか浮かばない。
でも実際はアメリカも日本も激しい戦闘によりとても多くの命が失われた。
大切なのは戦場で何が起こっていたのか知ることだと思います。
戦争の是非?
そんなもん戦争していいわけないじゃん。

「ハクソーリッジ」でどんな戦闘が行われたか。
それを知る切っ掛けにこの映画は適していると思います。
(完全な真実を知ることはできないし調べてもどこか嘘は混じる。想像して考えることが未来につながるんじゃないかと)

まあいろいろ戦争について考えてしまう映画でした。

頭上を銃弾がかすめるような音響は映画館ならでは。
戦闘シーンでは考えるよりも先に身体がこわばってしまいました。
地獄の片鱗を味わうにはぜひ劇場で。



沖縄戦を描く映画が日本公開、しかし宣伝文句に「沖縄」の言葉はゼロ…なぜ? (BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース
まあ宣伝にはいろいろ事情があるということで。
自分はてっきりノルマンディー的ななにかかと思ってました。



浦添市役所さんのツイートがとても参考になったのでご覧になってみてはいかがでしょうか。









予告編の後はネタバレにご注意を。
うまくまとまらずとりとめがありませんが。


【話の流れ】
1.日常パート(成長〜恋愛)
2.訓練パート(信念の表明・貫徹)
3.ハクソー・リッジ(激戦〜メディック無双)
4.真実モノお馴染みの本人インタビュー

クライマックスのメディック無双もよかったんだけどそこは思ってたよりはアガらず。
(『フォレスト・ガンプ』のベトナムでの救出シーンと比べてしまう)

それよりも序盤のなにげない日常パートでけっこうグッとくる場面がありました。
デズモンド・ドスという人が丁寧に描かれているのと演じているアンドリュー・ガーフィールドの真っ直ぐな感じがとてもいい。
その真っ直ぐさが訓練パートでも貫かれる。
銃を持たないことでハブられるんだけど信念を曲げない。
そんな彼を見て周囲の人間の反応が変わってくるあたりが絶妙におもしろかったです。

・・・からのそんな積み重ねた人間関係を全壊させるハクソーリッジにいきなり突入します。
「さあ戦争がはじまるぞ!」なんて身構える暇もなく戦闘開始!
艦砲射撃を皮切りに銃弾と手榴弾の雨あられ。
死ぬ。どんどん死ぬ。
死ななくても身体のどこかがなくなっている。
人が火ダルマになって飛んでいる。
そんなのをかなり長時間(10分やそこらじゃないくらい)見させられます。
観客はこの地獄の様相を「うわ!ヒッ!ぐえ〜」って見るしかない。
感覚がおかしくなります。

自分がもしこの戦場に銃を持って立っていたら動けるだろうか?
引鉄を引くことができるだろうか?
どれだけの時間生きていることができるだろうか?
どんなむごたらしい死に方をするのだろうか?

そして思うのは現実の実際は映画以上のもっとひどい光景だったんだな、と。



【日本軍】
日本の兵隊はわーって出てくるけどほとんどモブ扱い。
バンバン殺られます。
正直あまり気分のいいものじゃないですがアメリカ視点で描かれる戦争ですし。
切腹シーンがあったけど実際はどうだったのかな?
とってつけたような感じがあったので少し違和感が。

あと日本軍はハクソーリッジにかかってる縄梯子を切ればいいのにと思ったり。
っていうかあれ誰がどうやって設置したのかな?



【ハクソー・リッジ】
戦争映画+沖縄が舞台ということで見ながらちょっといろいろ考えすぎちゃったかな。

けっこういいセリフが多かったですね。
奥さんの「あなたは私を一瞬でも失望させることはないわ」みたいなセリフとか。
奥さんの写真を見ながら「お前にはもったいない女だな」の1回目と2回目とか。
訓練のところの鬼軍曹も面白かったですね。
服を着ていない「ヘンタイ野郎」のハリウッドさんがこの映画唯一の笑いどころでした。

あと主人公の父親を演じたヒューゴ・ウィーヴィング(ロード・オブ・ザ・リングのエルロンドやってた)
哀しみがすっごくよかったです。