夢が踊りだす。

いい夢が見られるんじゃないかなという予感とともに見ました『グレイテスト・ショーマン』。
ヒュー・ジャックマンいいなあ・・・なんてポーッとしているうちに映画が終わってしまった感じです。
『ローガン』の時も良かったけどこんなに奥ゆかしい演じ方もできるものだと感心してしまいました。

この「ショー」を最大限に楽しむにはぜひ劇場で。



予告編の後はネタバレにご注意を。










【ヒュー・ジャックマン】
話の喜怒哀楽すべてを主人公の男が動かすという大変な役どころを見事に演じきったヒュー・ジャックマン。
まさに喜怒哀楽。
途中主人公の男がよくない方向に行こうとした時は「あー!だめだよ!そっちに行っちゃ〜!!」と感情移入たっぷりでした。
男の半生を体験できたし、周りが見えてないときって怖いという教訓も。
支えてくれる人は大切にしましょうね。
人生は抗いがたいものだけど、まっすぐ前を向いて進む。
そんな言葉以上のメッセージを映画を見ながらインストールできた気がします。


【いい意味で素直に楽しめなかった映画】
開幕制作会社のロゴの直後にゴージャスが襲ってきます。
このショーが本当にすばらしくて楽しくて拍手したくなっちゃう。
ここでもう鑑賞料金の元はとれちゃいます。
そこから若い頃の苦労パート。
ショーを立ち上げてがんばるパート。
そこから夢が叶うんだな・・・と思ったらけっこうあっさりショーは成功して軌道に乗っちゃう。

続いて描かれるのは身分や見た目などの差別意識。
貧民の出であるがゆえに貴族にこだわったり。
貴族であったがゆえに貧民とは愛し合うのをためらったり。
フリークスであるがゆえに締め出されたり。

「あ、この映画ってそういう・・・」と思った時に価値観の修正作業を強いられました。
というのも今やサーカスは立派なショーだし、見た目が独特な人たちだってX-MENのほうがよっぽど独特な人がいるし。
そのへんを作品の時代設定に合わせてあげるのがちょっと大変でした。
でもその作業をしている間に自分の中にもやっぱりどこか他人を差別するっていう心があるのに気付きます。

見終わって映画館を出た後、待ちゆく人たちを見た時に感じた不思議な感じ・・・。
うまく言えないけど価値観がリセットされたような、他人のひとりひとりが妙にクッキリ視えるような・・・あの感覚は忘れられません。

他人を蔑むのは簡単に強くなった気になれるから楽なんだ。
他人を見た目や身分や職業で差別することのさみしさ。

そのへんの価値観に確実に働きかける映画でした。
また何年かして見たら違うものが見えてくるんじゃないかと思います。

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)
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