※前半はネタバレなし。予告編を挟んで後半はネタバレありです。

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新海誠監督 最新作 『天気の子』
公開日午前9時の初回一斉上映行ってきました。
IMAX!

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現在のシネコンのラインナップはなかなか錚々たるタイトルが並んでいます。

ざっくり感想。
前作『君の名は。』とは違った面白さでした。
ですがいかんせん情報量が多いので追いかけるのが大変。
もう一回みればしっくりくるかな・・・といった感じです。
初回でストンと落ちなかったのは『君の名は。』の時も同じでしたけど。


さて今作『天気の子』、映画本編の他に外的要因が観客に影響するものとなりました。

【激動たる気候変動】
地球全体が(もしかしたら宇宙規模で)近年気候変動が激しい。
あたりまえのように季節が繰り返されていくというのはなくなってしまいました。
その歪みが台風や大雨や干ばつなどで人間に襲ってきます。
今年の関東は梅雨が長引いて雨が多く気温も低め。
そんな変わりつつある世界に着目した新海誠監督は目ざとい。

【京アニ放火事件】
「京都アニメーション」に放火の疑い、死者33人に  - BBCニュース
あろうことか『天気の子』公開日前日に起きてしまった京都アニメーションへの放火テロ。
多くのアニメーション製作者と資料・資産が失われてしまいました。
そしてこれから描かれるはずだった作品たちの世界も引き裂かれてしまいました。
報じられる度に増えていく死亡者の数に絶望しながら『天気の子』公開を迎えてしまいました。
まさかこんな悲痛な気持ちで見る羽目になるとは。


事件、事故、災害であっというまに世界の半分や大切な人がなくなってしまうこの世界。
実はとっても脆くて危ういこの世界にどうやって向き合っていくのか。
『天気の子』はそういったことを考えるに値する作品だったと思います。
アニメーションだからできることがここにある。
たくさんの作り手の結果がここにある。
愛にできることはまだあるかい?

【奇跡】
公開日当日、関東の朝は曇り時々小雨だったのですが・・・





映画を見終わって外に出たらまさかの晴れ!
晴れたらいいなとは思ってたけどまさかこんなドラマチックな展開があるなんて。
これには格式高い伝統のオカルト雑誌ムーさんもびっくり。


みんなの想いとか願いが天に届いたのかな?
思い出に残る映画体験となりました。
ありがとうお天気!






さて予告編の後はネタバレにご注意を。





【ほぼ全編 雨!】
予想以上に雨!ひたすら雨が降っています。
こんなに雨が降る映画ってなかなかないのでは。
歌舞伎町で雨のシーンはブレードランナー的な雰囲気さえありましたね。
当然いろいろな形の雨が描かれるわけですがそれらを追いかけるだけで大変。
「ちょっと今の画もう一度見せて!」ってところが何度も。
雨が降っているということはそれだけで画面内で動くものが多いわけでビジュアル的な情報量もすさまじいです。
まあ徹底的に降らしますんで反面晴れた時のハッとした感はキますね。


【子供たちが子供らしさを振りかざす】
今までの新海誠作品の子供ってけっこうしっかりしてる子が多かったんだけど、今作の子供たちはかなり子供。
世間を恐れない全力で突っ走っちゃう危なっかしい感じ。
食べるものなんかもお菓子とかのファーストフードというのが徹底されてます。
でもそれがとっても楽しそう。遠足気分?
じゃあそこからの成長がガツンとあったかというとどうもうそんなにでもない気がします。
若干物足りないんだけど必ずしも成長しなければいけないというものでもないのか。
大切ななにかにちょっと気付いて明日に向っていけばいいのか。
初見ではそこまで深く解析できませんでした。
(画を追いかけるだけでも大変だったんです)


【喪失】
各キャラが親や妻が亡くなっている喪失抱えてる設定なのでみんなけっこうつらそう。
映画では雨って悲しいシーンで使われることが多いから雨の多いこの映画ではなおさら。
悲しみは消えないけど新たな人とのつながりがあるから前に進める。


【変わってしまった世界】
ラストで世界は雨がやまなくなってウォーターワールドのように水没する。
ここまで変えてしまうのかと正直びっくり。
船交通があたりまえになってたり電気とかも普通に通っててびっくりなんだけどそれが人のたくましさか。
変えてしまったという秘密を共有しながら二人は生きていくのだろうか。
このあと二人はどうなるんだろうかとかこの世界で人々はどうやって暮らしているのだろうとか想像するとちょっと楽しい。
湿度高くて大変そうだけど。


【天気の子】
『君の名は。』は運命に導かれる紐を引いたような作品だったけど、『天気の子』は混沌とした世界に強く生きていく作品だったと思います。
歌舞伎町、反社会的な登場人物、そして銃。
力が物を言う世界を子どもたちが駆け抜ける。
なにをしてでも(もちろん節度は必要だけど)生きていかなければならない。
そんなところでしょうか。
頭の中が整理できていないのでこんなところです。
ありがとうございました。

【そのほか雑感】
・歌で推していくスタイルは健在。作品全体のリズム感は『君の名は。』のほうが良かったかな?って思うけど2回目みたら馴染むかも。
・瀧くんみたいな瀧くん。
・宮水さんみたいな宮水さん。
・っていうか他にも『君の名は。』キャラ出てたみたいだけど見逃してる。
・終盤の「誰がタックル一番うまいか大会」笑った。
・商品や看板に実名が多かったのは前作の人気を受けてのものだろうなあと(いいぞ!)
・バーニラバニラ高収入!
・で少年はなんで家出してきたの?
・っていうか胸の谷間みてましたすいません。
・ピンクのカブかわいい。
・いいじゃん本田翼。
・小栗旬もよかった。
・少年が銃をけっこう思い切りよく撃っててびっくりしたけど撃つかどうかでウンウン悩まれても困るのでよし。割り切った舞台装置?
・少年はぶん殴れらたりビンタされたり。
・悪態をつくリーゼントの刑事よかった「ッ・・・撃たせるなよ」
・お天気ビジネス楽しそうでハッピーでずっと観ていたかった。
・野沢雅子みたいな声の占い師。
・おばあちゃんが出してくれたお茶菓子がブルボン系多め(ルマンドとかホワイトロリータとか)で嬉しい。
・チョーカー、指輪、手錠という意味深束縛系アクセ。
・めちゃモテ弟先輩かわいい。
・楽しいラブホカラオケ。
・オカルト雑誌ムーの存在感は前作よりもアップでムー民歓喜!
・なんだかんだで陽菜ちゃんかわいい。
・トラックに雷が落ちて爆発するシーンは京アニの火災を思い出してヒッってなった。
・「世界がどうなろうともキミを選ぶ」ってのは西谷史の小説版『女神転生』のナカジマとユミコを思い出した(知ってる人少ないだろうけど)
・水が塊でドサッと落っこちてくるのは重さが伝わってくる感覚があった。
・プリキュアみたいなコスプレイヤーが登場してたけど公認でプリキュア?ノートみたいなのもろにブラックホワイトだったし。
・リフレイン描写(空から落ちる、警察から逃げる、門前払いを食らう、坂道で出会う など)
・家に帰ってテレビの天気予報を見るとなんだかとても不思議な感じがした。劇中での報道シーンがよくできすぎていたからアニメとリアルが混乱?D_4qgNtU4AAYcwR
・原作小説(Kindle版)買いました。
・「愛にできることはまだあるかい?」というフレーズの絶望的状況における万能感。
・エンドロールの最後の最後のとこかすかにモールス信号っぽい??



新海誠監督作品をみたあとやたらと物が精彩に見える現象が今回も。 普段はフィルタリングされている視覚情報がダイレクトに認識される。 感覚と感性が活性化。 そして気付くのは世界は小さな美しさがたくさんあるということ。 こういうの他にはちょっとない。 そして新海誠監督、あなたいったいどういう眼で世界を視ているんだ? ふしぎ。




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