前作『僕のワンダフル・ライフ』の続編になります。
『僕のワンダフル・ジャーニー』映画館で観てきました。
日本語吹き替え版でしたがあいかわらず高木渉の「ベイリー」はあたたかくてやさしい声でしたしその他ひっくるめてとてもいい雰囲気でした。
だから、泣いたよ、たくさん!
他の観客もみんなおいおい泣いてましたし客席は大変潤っておりました。


ちなみに前作の感想はこちら。
映画感想『僕のワンダフル・ライフ』(劇場にて・2D吹替) : ひよこクレストのご注文お決まりでしょうか?


で、前作がいい感じで終わったので正直今作は蛇足なんじゃないかと思っていたのですが、観終わってみるとしっかり後編だったし、一連の「ジャーニー」の区切りとして力強いメッセージが込められていました。
言葉にするよりも胸のあたりにズガンと入ってくる感じです。
自分は犬を飼ったことはないのですがそれはとても尊く愛おしいもの。
犬を飼ったことがある(そしてお別れをしたことがある)方には格別の大切なジャーニーになると思います。
自分は映画館で観てよかったし忘れられない作品になりました。


予告編の後はネタバレにご注意を。






【イーサン家の一族】
映画開始そうそうイーサンとお別れしてしまうベイリーで、はい、もう観客全員いきなり号泣。
そして物語は孫娘のCJへと移ります。
CJの成長を転生しながらおいかけるベイリーの姿が尊いです。
っていうか前作よりも転生慣れしているので転生精度が非常に高い。
各犬生で確実にCJとエンカウントします。
イーサンたちに寄り添い見守るベイリーは犬というよりももはや守護天使的な存在に。

この世界は広いけれど魂っていうのは惹かれ合って意外と狭いところでぐるぐる廻っているのかなあなんて不思議な事を考えてしまいました。
一生のうちで出会う人の数なんて限られていますしね。
もちろんずーっと一緒にいるわけでもない。
だから縁って大切なんだろうなあとか。

あと物語の都合っていうこともあるけどイーサン一族ってみんなとても生き方が不器用なんです。
孫娘のCJもご多分に漏れず。
だからベイリーが「ボクがしっかり助けてあげなくっちゃ!」ってなるんでしょうね。
自分もそうだけどみんなそんなに器用にうまく生きられるわけじゃないんですよね。

物語はイーサンの死で幕を閉じる。
初めてイーサンを見送るベイリー。
しばし旅は終わり暖かく光り輝く草原を走るイーサンとベイリー。
それは世界一やさしいお帰りが待っている場所。


【チャイナボーイ】
なんかいきなりチャイナボーイがグイグイくると思ったらこいつが本命か!
中国資本の影響がもしかしたらここにも?って思ったけど途中から気にしないようにしました。
ガンを克服できてよかったね。


【グロリア=ベティ・ギルピン】
CJの母親を演じるのはベティ・ギルピン。guroria

この物語でもっともアタリのキツイ役どころですが見事な演技でした。
酒浸りで育児放棄な傲慢な母親。
酒をやめて喪失と愛の大切さに気がついた弱々しい姿。
ともすればただのお涙頂戴になりがちなこの手の話をちゃんと地に足のついたものにしてくれた功績です。


【ワンダフル・ジャーニー】
ラストの温かい草原のイメージそのままでエンドロールなのですがその背景色はこれまたそのまま夕焼け色。
これが普通の映画みたいに黒い背景だったらなんだかシュンとして終わっちゃうんだけど、夕焼け色であることによりホワッとあたたかい余韻に浸れます。巧い!!
そして「ずっと友達」というテロップに続いていろんな飼い犬たちの写真(各犬の名前を添えて)が映し出されます。
人間に寄り添う彼ら彼女らの存在感をひしひしと感じるし、現在もそれぞれの家庭でさまざまな「ジャーニー」が繰り広げられているんだと実感。
犬を飼っていたことがある方はここで自らのジャーニーの思い出が走馬灯のように蘇ることでしょう。

観終わって映画館をであとは犬を飼ってみたくなりました。
そして草原をいっしょに走りたいなあ、なんて。

ありがとう、ベイリー。

ありがとう。


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