初めて予告を観たときからこりゃあ観てやろうと決めていました。
『フォードvsフェラーリ』
実話ベースということですがフォードとフェラーリに何があったのか自分は知らない。

主演はマット・デイモン(ボーンシリーズやオデッセイとか)
そしてクリスチャン・ベール(リベリオンでガンカタとか、あとバットマンやってたり、あとバイスでアメリカ副大統領とか)

その他にもいろんな俳優が出演していましたが、誰もが喜怒哀楽のいい演技で感心しました。
ストーリーやレースシーンも熱いものがあって満足しながら劇場を後にしました。


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鑑賞後はフォードGTのダイキャストモデルカーを買ったのはいうまでもありません。
(ワイルド・スピードモデルだけど)
フォードはマスタングもすき。


予告編のあとはネタバレにご注意を。





【レースで勝つということ】
車を売るということがどういうことか。
様々な形で描かれます。
ブランド力で金持ちに適当に売るか、走りに対してアグレッシブなわかる客に売るか。
売るには違いないけどその価値はまったく違う。
そして車としてもっとも崇高なのは速くてかっこいい車であること。
そのためのレース!
ダサい大衆車なんか売ってられるか!
勝て!フェラーリに!!

そんなわけで勝てる車を開発してレースに臨むのですが、そこは大企業なのでままならないところがいろいろと発生。
主人公たちはそれに立ち向かいます。
「知るかボケ!勝つんじゃ!オレがオレたちが走るんじゃ!」っていう様が熱かったです。
スピリットですよねえ。
こう見えて自分もレーサーになりたいって思ったことが3日間くらいあるし、ひとつのことに激しく打ち込んでみたいという欲望もなくはない。
そういった心のエンジンの回転数が(鑑賞直後は)あがりました。


【心に残る工具】
劇中とても印象に残る工具がふたつあります。

・ハンマー
人類が誇る最強の工具。
エンジンがはみだしてトランクが閉まらない?トランクをぶっ叩いてエンジンの形に合わせろ!
レース中にドアが閉まらなくなった?ぶったたいて押し込め!
そんなワイルドなところがすきでした。

・レンチ
ケン・マイルズが使っていたレンチ。
工具としてはもちろん威嚇用としても活躍。
最後は形見として息子の手に。
メカニックの魂を象徴するアイテムでした。
鑑賞直後はホームセンターで同じ大きさのを買ってやろうかって思いました、グッズとして。


【登場人物たち】
最後に登場人物たちにちょっとコメント。

・シェルビー(マット・デイモン)
自身のネームバリューで車を売っておきながら理念との間で思い悩む。
そのもやもやをレースに勝つことで達成しようとする。
なのでレースに関わるときはなんでもやるし熱い。フォードともガンガンバトルする。
ピットではちょっと意地悪なんかもしたりね(フェラーリのストップウォッチを盗んだり、ナットを放り投げたり。こういうことは実際にやりあったらしいですけど)

・ケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)
ひねくれてるくせの強い感じが最高。
そして車で走らせるとべらぼうに速い!
ギアをグンって上げる仕草が超かっこいい。
理念の塊でもあるんだけどそれだけじゃ金にならないのが現実。
そんな問題を抱えてレースに臨む。
だけど優先されるべき理念を打ち砕くフォードのチームオーダー。
レース終盤がむしゃらに駆け抜けた孤高の領域。
彼は静かにアクセルを緩める。
このへんの言葉にしたくない感!

・ケンの妻
よくできた奥さん。
シェルビーとケンが道端で取っ組み合いのケンカをしてるのを椅子持ってきて観戦してるのすき。

・ケンの息子
かわいいしこんな息子がいたらいいなあと思った。
と同時に父親がレーサーだったら嬉しいとも。
そして自分が幼い頃に抱いていたワクワクした気持ちを思い出した。
なので観客の代理人としてのキャラクターなのかもしれない。
最後にシェルビーから父親の形見レンチを受け取る息子。
観客はその「宝物」を手に劇場を後にする。

・フォード社長
シェルビーに車に乗せられてうんこもらしそうに(もらしたのか?)なってるとこ。
「(この速い車を)親父にもみせてやりたかった」とガン泣きするとこ素晴らしかった。
最高にかっこ悪く車のかっこよさを表現!
そこで理念に打たれたかと思いきや最後のチームオーダー許可しちゃうのなんだよーって思った。

・フォード副社長
引っ掻き回しの憎まれ役なので実に憎ったらしい!(褒め)

・エンツォ・フェラーリ
最後はシェルビーチームに対して「おまえら速いの、オレはわかってんで」みたいな顔してずるいかっこよさ。

その他登場のみなさんも素晴らしかったです。


【フォードvsフェラーリ】
2020年初の映画だったのですがいきなり満足の作品でした。
家庭用が出たら吹き替えでも観てみたいですね。

劇中のル・マン 24時間レースが壮絶だったけど近年アレで優勝したTOYOTAすごいなあとか。
近年車は電動化とか自動運転化とか大きな変化の時だけど、ガソリン臭くてうるさくて燃費の悪い車いいですね!

というわけで車とか生き方についていろいろ考えさせられる映画でもありました。