滝本竜彦「僕のエア」文庫版読み終わりました。
ひさしぶりに小説を一気に読みました(2、3日かけて)
本屋の平積みで数メートル離れたところからでも判別できてしまう安倍吉俊氏の表紙画に惹かれて手にとってしまいました。
あ!滝本竜彦じゃないか!滝本竜彦じゃないか!
これは買い。
滝本竜彦といえば「NHKへようこそ」も代表作の一つ。
独特の疾走感があると思います。
主人公がこれがもう見るも無残に惨めで無力で無気力でまるで駄目なのですが、果たしてそんな彼を上から見下ろせるほど自分は立派な人間なのだろうか?
きっと何者にもなれない自分は当たり前の幸せとはほど遠いところまで来てしまっていることを今更ながら思い知らされるのです。
恥の多い生涯を送って来ました・・・と胸を張って言えるほどたいしたことはありませんが、
これは現代版「人間失格」なのかもしれません。
時代に即しているぶん読みやすく理解しやすいです。
目標が夢や理想といったものに置き換えられ、口をついて出る言葉は
「明日からやろう」
「俺はまだ本気出してない」
「社会が悪い、時代が悪い」
そしてただただ日常を怠惰に消費するばかりで自分が何を目指していたのか忘れてしまう。
やがて現実からも目を背けるのだけれど、時に苦痛を伴って最高のタイミングでまざまざとわざわざ思い知らせてくれる人生という無理ゲーに乾杯。
495円+税で自分の人生における現在の立ち位置を振り返るきっかけになる一冊です。
「空気読めよ!」といわれて、ああもう空気になってしまいたい〜と思ったことのある方に特にオススメです(つ∀-)
ひさしぶりに小説を一気に読みました(2、3日かけて)
もうここには誰もいなかった。
残されているのは、俺の人生だけだった。
逃げたくても逃げられない大迫力の人生苦悩が俺の眼前に広がっていた。
たしかにここはもう砂漠ではなかった。
色鮮やかな地獄だった。
(帯の本文紹介より)
本屋の平積みで数メートル離れたところからでも判別できてしまう安倍吉俊氏の表紙画に惹かれて手にとってしまいました。
あ!滝本竜彦じゃないか!滝本竜彦じゃないか!
これは買い。
滝本竜彦といえば「NHKへようこそ」も代表作の一つ。
独特の疾走感があると思います。
主人公がこれがもう見るも無残に惨めで無力で無気力でまるで駄目なのですが、果たしてそんな彼を上から見下ろせるほど自分は立派な人間なのだろうか?
きっと何者にもなれない自分は当たり前の幸せとはほど遠いところまで来てしまっていることを今更ながら思い知らされるのです。
恥の多い生涯を送って来ました・・・と胸を張って言えるほどたいしたことはありませんが、
これは現代版「人間失格」なのかもしれません。
時代に即しているぶん読みやすく理解しやすいです。
目標が夢や理想といったものに置き換えられ、口をついて出る言葉は
「明日からやろう」
「俺はまだ本気出してない」
「社会が悪い、時代が悪い」
そしてただただ日常を怠惰に消費するばかりで自分が何を目指していたのか忘れてしまう。
やがて現実からも目を背けるのだけれど、時に苦痛を伴って最高のタイミングでまざまざとわざわざ思い知らせてくれる人生という無理ゲーに乾杯。
495円+税で自分の人生における現在の立ち位置を振り返るきっかけになる一冊です。
「空気読めよ!」といわれて、ああもう空気になってしまいたい〜と思ったことのある方に特にオススメです(つ∀-)
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