邦題が「ラッシュ/プライドと友情」
「プライドと友情」なんて押し付けがましい副題をつけやがって!



鑑賞後
「プライドと友情、バンザイ!!」と叫んでいました。

日本語吹替版で見たのですが、声、え?
KinKi Kids?
よかったですよ。

自ら望んで死と隣合わせの世界に首を突っ込む。
そんなちょっとイカれた種類の人間がカーレーサーたちの生き様を描く今作ですが、
こんな壮絶なのが実話だってのがすごい。
まあ実際はもっとすごかったのでしょうけれども。

クライマックスはなんといってもニキ・ラウダの事故シーン。
コースアウト、壁に激突してバウンド炎上、後続車に追突されてボコボコ。
炎の中から奇跡的に命を取り留めるニキ・ラウダですが、
そのあとの治療シーンの描写がエグい。
「ダークナイト」でトゥーフェイスの顔がひどかった以上の痛々しさ。
さらに口から肺に管を入れて膿を吸引とかもう見ていられません。
その痛みを乗り越えてレーサーとして復活するニキ・ラウダ、すげえ!・・・ってなりますね。
妥協しない表現だから説得力があります。

ふたりのライバルはお互いに影響を受けながらレーサーとして、人間としても成長していく。
でも最後まで馴れ合わず、小粋な悪態を言い合いながらってのがかっこいいですね。
「こやつらめ」と見ていてニヤニヤしちゃうことが何度か。
ニキ・ラウダとジェームス・ハントのふたりは性格も生き方も対照的なのが
映画を見ながら仮の人生を2回分堪能できたようでお得感もバッチリ。
それぞれを演じる俳優も実にそれっぽくて素敵です。

レースシーンは毎カットもうちょっと見たいんだけど
1カットが微妙に1秒か0.5秒くらい短い作り。
車がどういう形かじっくり見る暇もありません。
最初は画面がパッパッと矢継ぎ早に変わっちゃってストレスだったけど、
こういうのはちょっと足りないくらいがテンポがよくていいですね。
青白い雰囲気の画もF1の勝負の緊張感があっていい感じ。

気になったのは日本的描写。
日本グランプリのところで旗になんか漢字が書いてあるんだけどよくわからないヘロヘロな文字。
今どきの映画ならちゃんと考証してほしかったです。
いいシーンなのに興が冷めますもん。

F1の世界は金!マシン!運!
弱肉強食の力こそ全ての世界。
持ってる奴しか勝つことはできないけど、勝者はすべてを手に入れることができる。
そんな世界においそれと足を踏み入れることはできないけれど、
仮想体験できちゃう映画「ラッシュ/プライドと友情」
オススメです(つ∀-)